『カルテット』第5話 大人の嘘【感想】
カルテット 第5話 第一章 完結
第5話を見逃した方は、オンデマンド版を観ることができます。
以下ネタバレも含みます。
嘘まみれの嫁姑関係
第4話からの続き、巻真紀(松たか子)と別府(松田龍平)がいる巻のマンションに鍵を開けて入ってきた人物は、巻鏡子(もたいまさこ)だった。
いい嫁、いい姑を演じるふたりが空々しくてよかった。トイレを間違ったふりして、寝室に入って行く鏡子。すぐ帰るからいいのにというお義母さんを引き止めて甲斐甲斐しく背中のマッサージをする真紀。
どこにでもいるような嫁姑のように見えるのだけれど、この姑はスパイすずめ(満島ひかり)を雇って嫁の正体を調べさせるし、嫁は夫を殺したのかもしれない。徹底的に破綻した関係なのに隠している、まさに「ズボンはいてるけれど、ノーパン」状態なのだ。この「ズボン穿いてるけど、ノーパン」状態は話の随所に現れている。
冷えた弁当から浮かび上がる嘘
すずめちゃんのコスプレかわいい
別府の弟、別府圭(森岡龍)が登場。別府の弟は、「カルテット」の別府以外は無職にもかかわらず、別府家の別荘に住み別府に養われていることを指摘する。追い出すのかと思いきや仕事まで紹介してくれる。
音楽プロデューサーの朝木(浅野和之)の「君たち才能あるよ」という言葉に嘘のような夢のような心地に浸る4人。すずめの口癖「みぞみぞしてきました」という真紀。
そのプロデューサーに紹介された仕事が、コスプレして演奏するというもので、ダンスを踊ったり、スカートのスリットを入れらたり、自分たちの夢に描いていた「カルテット」とはほど遠いものだった。
狭い階段で、居心地悪そうに冷えたお弁当を食べる4人。ピアニストの遅刻から演奏すらできなくなって演奏しているフリを頼まれる4人。そんな我慢ならない仕事さえ、別府の弟のコネで得ているのだ。受け入れたすずめに「ありガトゥーショコラ」という真紀。
現実を受け入れ演奏をしたフリを演じきり、疲れきった彼らの背中をみながら朝木は
『志がある三流は四流』
と言った。三流にすらなれなかった現実。
嘘からはじまった友情
スパイ有朱(吉岡里帆)がやってきた。淀君の愛称でおなじみの有朱が真紀とすずめの関係をかき乱す。以外とストレートにでも執拗に真紀に夫のことを聴き、夫を殺したんじゃないかと揺さぶりをかける。
「大好き大好き殺したいって」
「夫婦に恋愛関係持ち込むから殺人事件が起こるんじゃない」
ボイスレコーダーを持っていることがバレた有朱は、手のひらを返したようにすずめと共同にやっていたことにするし、真紀さんのこと信じていたとかいうし、依頼人は鏡子だということもあっさりバラしてしまう。(こいうふうに立ち回りはさすがだ)
真紀は「すずめちゃんなんて全然嘘のない人だし、そういう人といるのが大事」と微笑む。そのあとすずめの嘘を知ったときの真紀。たまらず、家を飛び出す、すずめ。
忘れかけていたけど、真紀とすずめは嘘からはじまった友情だったのだ。
夫婦は嘘で成り立っている
すずめは家を飛び出し、軽井沢の街をさまよっていると怪しい男にぶつかる。「カルテット」のなかで最大の謎「夫さん」は、生存していた。やっぱり、真紀は殺してなかったのだ。その失踪した夫、幹生はなんと宮藤官九郎だった。
最後に
最後クドカンに全部持って行かれちゃった感がありました。みんな同じだと思いますが、私も真紀の夫さんは田辺誠一のようなイケメンだと思っていました。夫さんが生きているということより、夫さん自体に驚きました。クドカンだと思うと「夫さん」って呼び方がしっくりきます。
口癖を真似するほど友情と信頼を育めていた真紀とすずめ。大切な人だからこそ、嘘をついていることが辛い。胸がキュと締め付けられました。真紀さんとすずめちゃんの、シーン好きだな。
5話までを通しての嘘があぶり出され後の第二章突入。来週がますます、楽しみです。
本日もお読みいただきありがとうございます。
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